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【例】●●●専門医、●●●●認定医の資格を持ち、医師として約●年医療現場に立つ。
特に●●の分野に力をいれており、●●●●の診療を得意としている。20●●年●月に●●●でクリニックを開業予定。
目次
子宮体がんとは
子宮体がんは、子宮の内側にある「子宮内膜」と呼ばれる部分にできるがんで、特に閉経後の女性に多く見られます。最近では食生活の変化や肥満、ホルモンバランスの乱れなどを背景に、若年層での発症も増えています。
以前は子宮がん全体の10%ほどでしたが近年増加傾向にあり、現在では子宮がん全体の30~40%の割合を占めるようになってきています。
子宮体がんは早期に発見できれば高い確率で治療可能ながんであり、日ごろからの意識と定期的な検査が重要です。
子宮体がん症状チェック
子宮体がんのサインとして最も注意したいのは「不正出血」です。
特に閉経後に出血がある場合は、年齢にかかわらず一度婦人科を受診することをおすすめします。
月経がある世代でも、出血が長引く、量が異常に多い、生理以外の時期に出血(不正性器出血)、茶色っぽいおりもの、性交時の出血などの症状がある場合は、婦人科受診することをおすすめします。
子宮体がんの初期症状
初期段階では、痛みなどは少なく、不正出血やおりものの変化が主なサインとなります。
そのため、「年齢のせいかも」「更年期だから仕方ない」「生理不順かも」と見過ごしてしまう方も少なくありません。少しでも異変を感じたら早めの受診が大切です。
子宮体がんは検診でひっかかる確率
子宮体がんは、一般的な子宮頸がん検診(頸部細胞診)では見つけることはできません。
そのため、「健康診断で異常なし」と言われていても、体がんのリスクがゼロになるわけではありません。不正出血などの自覚症状がある場合には、子宮体部の検査(子宮内膜細胞診やエコー検査)を行う必要があります。
検診で「内膜が厚い」と指摘されると、体がんの疑いがあるとして追加検査になることもありますが、子宮内膜増殖症という癌ではない病変のこともあり、すべてががんとは限らないため、冷静に対応することが大切です。
子宮体がんの発覚のきっかけ
実際に子宮体がんが見つかるきっかけの多くは、「閉経後の出血」「不正出血」「おりものの異常」などの症状による受診です。健診で偶然見つかることは少なく、多くの場合は患者さん自身の“気づき”が診断の第一歩になります。
特に50代以降で、月経が終わってから年単位で経過しているにもかかわらず、突然出血した場合は注意が必要です。
子宮体がんの出血の特徴
子宮体がんによる出血は、少量から始まることが多く、最初は「茶色いおりもの」のように見えることもあります。進行とともに出血量が増えるケースもあり、月経と区別がつきにくいこともあります。
一方で、月経が終わって数年たった後の出血は、どんなに少量でも“異常”と考えるべきです。こうした出血が1回でもあった場合は、必ず婦人科を受診しましょう。
子宮体がんの進行スピード
子宮体がんは、比較的ゆっくりと進行するがんと言われています。そのため、初期の段階で発見されることが多く、治療成績も良好です。ただし、中には悪性度の高いタイプもあり、その場合は進行が早いこともあるため注意が必要です。放置していると周囲の組織やリンパ節へ広がってしまう可能性もあるため、早期対応が重要です。
子宮体がんが発症しやすい年齢
最も多いのは50代〜60代の閉経後の女性ですが、近年は40代での発症も増えています。特に月経不順や肥満、糖尿病、子宮内膜増殖症などがある方はリスクが高まります。また、妊娠・出産経験がない方や不妊治療中の方も、体がんに対する注意が必要とされています。
子宮体がんの予防
- 生活習慣の改善:肥満にならない様に心がける(食事や運動など)
- 低用量ピルの服用:排卵を抑え、子宮内膜を薄い状態に保つ働きがあるので、子宮体がんのリスクを下げるだけではなく、卵巣がんのリスクも下げることができます。
子宮体がんの治療方法
治療の基本は手術です。子宮の摘出と、必要に応じて卵巣やリンパ節も同時に切除します。早期がんであれば、腹腔鏡手術などの負担の少ない方法も選択できます。進行度によっては、手術後に放射線治療や化学療法を併用することもあります。
近年では、ホルモン治療を取り入れて子宮を温存する選択肢も限られた条件で可能になっています。治療法はがんのタイプや年齢、妊娠希望の有無によって大きく異なります。
子宮体がんの再発率
子宮体がんは早期に発見されれば再発率は低く、5年生存率も非常に高いがんです。ただし、がんの種類や進行度によって再発リスクは異なります。術後は定期的なフォローアップが必要で、特に初回治療から2〜3年の間は注意深く経過を見ていくことが大切です。再発を早期に見つけるためにも、自己判断で通院をやめないようにしましょう。