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【例】●●●専門医、●●●●認定医の資格を持ち、医師として約●年医療現場に立つ。
特に●●の分野に力をいれており、●●●●の診療を得意としている。20●●年●月に●●●でクリニックを開業予定。
目次
萎縮性膣炎とは
萎縮性膣炎(いしゅくせいちつえん)とは、女性ホルモン(エストロゲン)の低下によって膣や外陰部の粘膜が薄くなり、乾燥や炎症を起こしやすくなる状態を指します。
閉経後の女性によく見られますが、出産後や授乳中など、女性ホルモンが一時的に低下する時期にも起こることがあります。
症状としては、膣の乾燥感、ヒリヒリするような痛み、性交時の痛み、おりものの増加、軽い出血などがあげられます。
デリケートな症状であるため、人に相談しづらく、一人で悩んでいる方も少なくありません。
しかし、適切な治療で症状を大きく改善することができる疾患です。
萎縮性膣炎が起こりやすい年齢
最も多いのは閉経後の女性で、特に50代後半〜60代以降で発症率が高くなります。
閉経により卵巣から分泌されるエストロゲンが大きく減少し、膣の潤いを保つ力が弱まるためです。
また、40代後半〜50代前半の更年期にも症状が現れることがあります。
さらに、出産直後や授乳中の女性も一時的にホルモンバランスが変化し、膣が乾燥しやすくなることがあります。
この場合は、閉経後とは異なり、ホルモンが回復することで自然に改善するケースもあります。
萎縮性膣炎は自然に治る?
萎縮性膣炎は、閉経後に一度起こると自然に治ることは少なく、時間とともに悪化することもあります。
膣の粘膜が慢性的に乾燥し、外部からの刺激に対して弱くなるため、放置すると性交痛が強くなったり、膀胱炎のような排尿トラブルを引き起こす場合もあります。
ただし、産後や授乳中に一時的に起こった萎縮性膣炎であれば、ホルモンバランスが回復するにつれて自然に改善することもあります。
いずれにしても、不快な症状が続く場合は早めに婦人科を受診することが大切です。
萎縮性膣炎は自分で治せる?
市販の保湿ジェルなどで一時的に症状が和らぐことはありますが、根本的な改善には限界があります。
特に閉経後の萎縮性膣炎は、ホルモン低下が原因であるため、自己判断での対処だけでは症状が繰り返しやすくなります。
また、かゆみやおりものがあると「カンジダ」や「細菌性膣炎」と勘違いしてしまうケースもあります。
原因が異なれば治療も異なるため、まずは婦人科で正確な診断を受けることが重要です。
萎縮性膣炎の治療方法
治療には、症状や年齢、体質などに応じていくつかの方法があります。
最も一般的なのは、膣内に使うエストロゲンの局所ホルモン剤です。膣内の粘膜を潤し、炎症を抑える効果があり、全身への影響が少ないのが特徴です。
膣剤の使用困難な方、全身の更年期症状を伴う方はホルモン補充療法(HRT)での治療をすることで症状改善に繋がります。
また、陰部の乾燥が強い方には、保湿剤の外用薬を処方し、ホルモン剤の使用に抵抗がある方は、漢方薬を処方することもあります。
萎縮性膣炎は繰り返す?
残念ながら、萎縮性膣炎は再発しやすい疾患です。
特に閉経後の女性は、ホルモンが自然に戻ることがないため、症状が一度改善しても再び悪化することがあります。
そのため、定期的な治療やケアを継続することが大切です。
治療によって膣の状態が安定すれば、日常生活の質も大きく改善します。
違和感や痛みを我慢せず、継続的にケアを続けていくことが、再発予防につながります。
デリケートな症状こそ、気軽にご相談を
萎縮性膣炎は、デリケートで人に相談しづらい症状を引き起こしますが、決して珍しいものではありません。
当院では、女性医師による丁寧な診察と、患者さんの気持ちに寄り添った治療を心がけています。
違和感や不快感があるときは、がまんせず、お気軽にご相談ください。