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※記事を書いたのが専門家であることを証明できる内容を記載。
【例】●●●専門医、●●●●認定医の資格を持ち、医師として約●年医療現場に立つ。
特に●●の分野に力をいれており、●●●●の診療を得意としている。20●●年●月に●●●でクリニックを開業予定。

膣炎とは

膣炎(ちつえん)とは、膣内に炎症が起こる状態を指し、かゆみやおりものの増加、におい、灼熱感、痛みなどの症状が現れます。膣内はもともと自浄作用によって清潔に保たれていますが、細菌や真菌(カビ)、ウイルス、化学的な刺激などによってバランスが崩れると炎症が起こりやすくなります。

年齢や体質、ストレス、ホルモンバランスの変化なども膣環境に影響を与え、症状のきっかけになることがあります。膣炎は多くの女性が一度は経験する身近なトラブルであり、正しい知識と早めの対応が大切です。

膣炎の種類

膣炎にはいくつかの種類があり、それぞれ原因や治療法が異なります。主な膣炎のタイプは以下の3つです。

  • 細菌性膣炎(BV):膣内の常在菌バランスが崩れ、異常に増えた細菌によって起こる膣炎。灰白色のおりものや強いにおいが特徴です。性交渉後に悪化しやすいことがあります。自然に症状が軽快することもありますが、雑菌が繁殖しおりものの悪臭が継続し、かゆみの原因となることもあります。

治療はメトロニダゾールの膣剤を使用します。

  • カンジダ膣炎:カビの一種であるカンジダ菌が増殖することで起こります。強いかゆみと白くポロポロしたおりものが見られます。抗生物質の服用後や疲労、免疫力の低下により真菌が増殖しおりものの異常がでます。妊娠中にも起こりやすいです。

抗真菌薬の膣剤や外用薬を使用して治療します。

  • トリコモナス膣炎:トリコモナス原虫という微生物による感染で、泡状の黄色いおりものや強いかゆみを伴います。性行為で感染することが多いです。

治療はメトロニダゾールの内服を行います。

  • 萎縮性膣炎:閉経の時期に女性ホルモンの分泌が低下することで、膣内の自浄作用が低下し、細菌が増えることで陰部のかゆみや違和感、痛みの原因となります。

女性ホルモン剤の膣剤が治療としては有効的です。

その他、アレルギーや洗浄剤・ナプキンによる刺激で起こる非感染性の膣炎もあります。

膣炎はどれくらいで治る?

膣炎は、治療を行えば通常は数日〜1週間程度で症状が改善します。抗生物質の膣剤や内服薬によって原因菌を抑えることで、膣内環境が整い自然と治っていきます。ただし、体調や生活習慣によって治りにくい場合もあり、再発を繰り返す方もいるので、完治には個人差があります。

膣炎は自然に治る?

軽度の細菌性膣炎であれば、自然に改善することもあります。体の免疫力や膣内の自浄作用によってバランスが戻れば、症状が落ち着くケースもあります。しかし、症状が強い場合や繰り返す場合は、自然に治るのを待つのではなく、婦人科での診察と治療が必要です。

膣炎の治療方法

膣炎の治療は、原因に応じて異なります。膣内に直接入れる薬(膣錠)や、必要に応じて内服薬や外用薬を併用することもあります。

また、再発しやすい方には、体調や生活習慣の見直し、膣内環境を整えるためのケア方法もご案内します。市販薬を自己判断で使うと、症状を悪化させてしまうこともあるため、まずは婦人科で正確な診断を受けることが大切です。

膣炎の再発率

膣炎は一度治っても、再発することが珍しくありません。特にカンジダ膣炎や細菌性膣炎は、免疫力の低下やストレス、ホルモンの変化、性行為などをきっかけに繰り返す傾向があります。再発を防ぐには、治療後も膣内の環境を清潔かつ適切に保つことが大切です。

また、パートナーとの性交渉が関係しているケースでは、両者の治療やケアが必要な場合もあります。症状が繰り返す場合には、継続的に婦人科でのフォローを受けることをおすすめします。 膣の違和感やおりものの変化は、デリケートで相談しづらいかもしれませんが、多くの女性が経験する身近なトラブルです。当院ではプライバシーに配慮し、丁寧な診察と治療を行っております。少しでも気になる症状があるときは、我慢せず、お気軽にご相談ください